ある日のレッスンでのことです。
生徒さんに、ある質問をしました。
「ねえ。○○ちゃんは、プレゼントをもらう時、どんな気持ちになる?」
返って来た答えは、
「嬉し~い!!」
即答です(笑)
そうだよね~(笑)と思いながら、次の質問です。
「じゃあ、○○ちゃん。誰かにプレゼントをあげる時ってどんな気持ちであげる?」
返って来た答えは…
「あんまりあげたことがないから、分かんな~い!!」
そうよね~(笑)
いやいや、そうよね~、じゃない…(←心の声)
「じゃあ、質問を変えるね。○○ちゃんがお友達に何かプレゼントをあげます。どんな感じであげますか?」
「う~ん…」
「はい、プレゼントだよ。あげるよ。ってお友達に投げて渡すかな?」
「ううん、渡さない。どうぞって渡す。」
「そうだよね~、大事なプレゼントだもんね。大切にそうっとお友達に手渡すよね。」
短いレッスン時間に、生徒さんと無駄話をしているのではありません(笑)
これこそ、ピアノ演奏に必要な心構えだと、私は思うのです。
生徒さんにはこう続けます。
「だから、ピアノを弾くときは、誰かにプレゼントをあげるつもりで大事に弾いてね。」
右手から左手へメロディーを受け渡す時も、プレゼントを手渡すように…
いくら楽譜にff(とても強く)と書いてあっても、その音を誰かにプレゼントするならどういう風に鳴らしたらいいのかを考えて…
などなど。
そうやって、一音一音を慈しんで練習を積み重ね、完成した一曲は、その人自身の愛情がたっぷり詰まった、とても素敵なプレゼント。
心を込めて作り上げたプレゼントだから、誰かにあげたく(聴かせたく)なりますよね。
ご家族、お友達、または自分自身に…
その音楽を、その音色をプレゼントしましょう。
きっと、そのとっておきのプレゼントは、聴いた人(演奏者自身も含めて)の心にスーッと入り込み、身体を幸せな感情で満たすでしょう。
まるで、身体が浄化されていくような感覚になれると思います。
実は先日、大先輩の先生とお会いして、お話する機会があったのですが…
「音楽は耳で聴くものではない。身体で聴くものだ。」
ということをおっしゃっていました。
特に、このコロナ禍を経験したからこそ、感じたことだそうです。
「だからこそ、音楽は必要なのだ」と…。
本当にそうかもしれません。
確かに、音は耳から入っては来ますが、そこから何かが喚起されて、何か別のものを想像したり…
今この瞬間のことではなく、過去あるいは未来のことに思いを馳せたりする…
身体が、自分の意思と関係なく、どこかに連れて行かれる感じ、というか…
音楽には、そのような目に見えない、強力な「力」があると思います!
話が逸れてしまいましたが…
今日も、明日も、この先もずっと…
「誰かに(もちろん自分にも!)プレゼントしたくなる演奏」を目指していきましょう!
発表会まであと2週間です。
健康に気を付けて、とっておきの“プレゼント”を用意してくださいね。
先生は、今年もとても楽しみです!
久留米市のピアノ教室
いなますピアノ教室